2015年後期 過去問 正答率悪いところ解説
問1 a 56.67%
🎨 問題の概要
知的財産権に関する法律のうち、
「物品(またはその部分)の形や模様、色彩など、見た目の美しさ(デザイン)を守る法律」
を問う問題です。
🧠 ポイントとなるキーワード
- 「物品の形・模様・色彩」…→ 見た目の特徴
- 「視覚を通じて美感を起こさせる」…→ デザインの話
- 「保護および利用を図る」…→ 法律で守る
これらはすべて、デザイン=意匠(いしょう)に関わる話です。
📚 各選択肢のざっくり解説
- ア.不正競争防止法
→ 商品や企業の信用を守る法律(見た目の保護ではない) ❌
- イ.商標法
→ ブランド名やロゴなど「識別のためのマーク」を守る法律 ❌
- ウ.実用新案法
→ 小さな技術的な工夫(構造など)を守る法律 ❌
- エ.意匠法
→ 見た目のデザインを保護する法律! ✅ 正解!
✅ 正解
エ.意匠法
- 「デザイン(形・色・模様)」を対象とする知的財産権。
- 工業製品の外見を保護することで、創作者の利益を守り、産業を発展させる目的がある。
💡 初学者への補足:商標・特許・意匠の違い
| 分類 | 守るもの | 例 |
| ———- | ———————- | ———————- |
| 商標 | ブランド名やロゴ | 「NIKE」のロゴ |
| 特許 | 技術的アイデア | 新しいエンジン構造など |
| 意匠 | 見た目のデザイン | イスの曲線や模様 |
| 実用新案 | 小さな技術的工夫 | ドアのストッパー構造 |
問21 c 46.67%
🌀 問題の概要
図3のように、図形の全体的な形と部分的な形が似ている(=自己相似性)という特徴を持つ図形があります。 このような図形には「マンデルブロ集合」や「ジュリア集合」などが有名です。
このような形状を何と呼ぶかを問う問題です。
🔍 キーワードの解説
- 「自己相似」…拡大しても同じような模様が現れる
- 「マンデルブロ集合」「ジュリア集合」…複素数平面を使った代表的な図形
- ⇒ これらはすべて フラクタル図形
📚 各選択肢のざっくり解説
- ア.ラジオシティ
→ 光の拡散の計算方法(レンダリング手法のひとつ)❌
- イ.テクスチャマッピング
→ 画像を物体表面に貼り付ける技法。模様の話ではない ❌
- ウ.フラクタル
→ 自己相似性を持つ図形。マンデルブロ集合やジュリア集合の代表格 ✅ 正解!
- エ.レイキャスティング
→ 視線方向の当たり判定に使う手法(3D描画など)❌
✅ 正解
ウ.フラクタル
- 自己相似性を持ち、部分と全体に類似性がある図形
- 図3のような模様は、典型的な「フラクタル図形」
💡 初学者への補足:フラクタルの実例
| 名称 | 特徴 |
| —————— | —————————————— |
| マンデルブロ集合 | 複素数の式を繰り返すことで現れる複雑な境界 |
| ジュリア集合 | マンデルブロ集合に関連する派生図形 |
| コッホ曲線 | 雪の結晶のような自己相似図形 |
| シェルピンスキー三角形 | 三角形を繰り返し削除していく自己相似な構造 |
問24 d 56.67%
🧩 問題の概要
図4のような立体形状を作るために、「円柱」と「直方体」の組み合わせでどのような集合演算を行えばよいか?を問う問題です。
ここでいう「集合演算」とは、3Dモデリングで使う:
- 和(∪)
- 差(−)
- 積(∩)
のことです。
👀 図4の形の特徴を観察
- 円柱の中に、円柱の穴がくり抜かれている
- 外形は「円柱」そのまま
- 外側は「直方体」で円柱を真っ二つに切っている
⇒ つまりこれは「円柱の中に円柱の空洞がある形から直方体を引いた形」
📚 各選択肢の解説
- ア.円柱 − 直方体 − 直方体
→ 円柱を直方体でくりぬいてあるように見えなくもないけどよく見ると真ん中の空洞部分は円柱 ❌
- イ.円柱 − 円柱 − 直方体
→ 円柱(大)を円柱(小)で切り抜き、直方体で真っ二つに割ることで正解の形ができる ⭕
- ウ.円柱 ∪ 円柱 ∪ 直方体
→ 和(∪)は物体を合体させる → 穴は開かない ❌
- エ.円柱 ∩ 円柱 ∩ 直方体
→ 積(∩)は重なった部分だけを残す → 穴あきにはならない ❌
✅ 正解
イ.円柱 − 円柱 − 直方体
💡 初学者への補足:3D形状の集合演算
| 演算記号 | 意味 | 例 |
| ———- | —————- | ——————————- |
| ∪(和) | 合体する | 円柱と直方体をくっつける |
| −(差) | 引き算する | 円柱から直方体をくり抜く |
| ∩(積) | 重なった部分 | 円柱と直方体の重なりだけ残す |
3D CAD や CG ソフトではこの集合演算を「ブーリアン演算」と呼び、形状を作る基本技術として使われています。
問26 c 56.67%
図形の変換(図4→図5) 解説
問題:図4のピンクの形を、図5の形に変換したい。 そのとき、変換できないもの(間違った式)を選びなさい。
◆ 観察ポイント
図4のピンクの扇形は「左下」にある。 図5では「右下」にある。
- → 左右が反転している
- → 上下の向きはそのまま
これはつまり…
- x の符号を反転すればOK(左右反転)
- y はそのまま
◆ 選択肢の確認
ア.
- x' = x
- y' = -y
→ 上下だけが反転。左右は変わっていない → ❌
イ.
- x' = -x
- y' = -y
→ 左右も上下も反転(原点対称) → 図5にはならない! → ✅ 正解!
ウ.
- 回転(θ度)
- 回転角をうまく使えば図5になりそう → ⭕ 可能性あり
エ.
- 回転(180°+θ度)
- 一見複雑だけど、こちらも回転で図5にできる → ⭕
◆ 結論
- 「x の符号だけ反転(左右反転)」すれば図5になる
- しかし イの変換 は上下まで反転してしまう
- → イは使えない変換
正解:イ
◆ おぼえよう!変換の基本
| 変換の種類 | 変換式 |
|---|---|
| 左右反転(y軸対称) | x' = -x, y' = y |
| 上下反転(x軸対称) | x' = x, y' = -y |
| 原点対称 | x' = -x, y' = -y |
| θ度の回転 | x' = x cosθ - y sinθ, y' = x sinθ + y cosθ |
理解しやすいように、左右・上下の動きを分けて考えよう🎯
問27 c 50.00%
🌄 問題の概要
図3のグレースケール画像を、図4に示された「トーンカーブ(階調変換曲線)」で変換したとき、 どの画像(ア〜エ)が正しい変換結果か?を選ぶ問題です。
🧠 核変換(トーンカーブ)とは?
- 画像の各ピクセルの濃度(輝度)を別の値に変換する操作
- 変換のルールを「トーンカーブ」としてグラフで定義
- 入力値(元の明るさ) → 出力値(変換後の明るさ)を表す
例:
- カーブが上に凸 → 明るくなる
- カーブが下に凸 → 暗くなる
- ギザギザや山谷 → ネガポジ反転や局所的反転などが起こる
🔍 図4のトーンカーブの特徴
- 入力0(黒) → 出力:中くらい(やや明るめ)
- 中間(約128) → 出力:暗くなる(0付近)
- 高輝度(255) → 出力:暗い(またも低い)
⇒ 全体的に非線形・局所反転あり
- 明るい部分が 暗く なり
- 暗い部分が 明るく なり
- 一部の輝度は反転
📚 選択肢の比較
==== ア.
- 明るい部分が暗くなり、暗い部分が明るくなっている
- まさにトーンカーブの谷と山に対応
- ✅ トーンカーブに忠実 → 正解
==== イ.
- 全体的に元画像と同じような印象
- トーンカーブは反映されていない → ❌
==== ウ.
- ネガポジ完全反転(255−x)
- 図4のトーンカーブはこうではない → ❌
==== エ.
- 全体が真っ黒に潰れてる
- トーンカーブにこんな極端な領域はない → ❌
✅ 正解
ア.
- トーンカーブに従って、特定の明るさが暗く変換され、
暗い領域は明るくなるという「反転的な濃淡変化」が生じている。
💡 初学者向け:トーンカーブでできること
| トーンカーブの形状 | 効果例 |
| ——————— | —————————- |
| 直線(対角線) | 変換なし(恒等変換) |
| S字カーブ | コントラスト強調 |
| 逆S字カーブ | コントラスト低下 |
| 山や谷がある | 明暗反転・ネガポジ・色調変化 |
問27 d 43.33%
🐐 問題の概要
図5のグレースケール画像に対して、あるトーンカーブ(階調変換)を適用したところ、 濃淡ヒストグラムが図6の(1)から(2)のように変化した。
このとき、使用されたトーンカーブ(ア〜エ)はどれか?
📊 図6のヒストグラム変化を読み取る
図6(1)(変換前)
- 明るさの分布がなめらか(山がある)
- 多階調(たくさんのグレー階調が存在)
図6(2)(変換後)
- 特定の画素値にピーク(棒グラフのように)
- 限られた階調値に画素が集中している
- つまり → 階調の「間引き」や「段階化」された状態
🧠 階調変換とは?
- 画像の「画素値(0〜255)」を、別の値に変換する処理
- 明るさの段階を「等間隔の値」に揃えることで、見た目がポスタリゼーション(階調減少)されることがある
📚 各選択肢のカーブの特徴
ア.直線(逆方向)
- 暗い↔明るいを反転させるだけ
- → ヒストグラムの形は変わるが、多階調性は維持 → ❌
イ.平坦な直線(一定の明るさ)
- 全ての画素値を同じ出力にする
- → ヒストグラムが 1本の線だけ になるはず → 図6(2)とは違う → ❌
ウ.階段状カーブ(ステップ関数)
- 入力値に関係なく、一定の区切りで出力値が「段階的に」変化する
- → 入力が分散していても、出力は特定の階調に丸められる
- ⇒ 図6(2)のような「ヒストグラムに棒が立つ」状況を再現できる ✅
エ.繰り返しの三角波カーブ
- 入力が変化しても、出力が周期的に上下する
- → ヒストグラムが周期的にはなるが、ここまで離散的にはならない → ❌
✅ 正解
ウ.
- ステップ関数を使って、画素値を段階的な少数の値に丸める
- 結果として、図6(2)のように「ヒストグラムにいくつかのピークだけが立つ」状態になる
💡 初学者向け補足:ステップ関数の応用例
| 使用例 | 効果 |
| ——————– | ———————————- |
| ポスタリゼーション | 階調を減らして色味を単純化する処理 |
| 2値化処理(1段) | 白黒のみに分離する |
| 3値以上の量子化処理 | グレー段階を指定数に制限する |
問28 c 43.33%
🧠 問題の概要
画像のディジタル化には、主に次の3つのステップがあります:
1. **標本化(サンプリング)**:連続画像を一定間隔で点を取り出す 2. **量子化**:取り出した点の濃淡値(明るさ)を整数値に丸める 3. **符号化**:丸めた値をビット列(0と1)に変換して保存
この問題では「1. 標本化」のうち、標本化間隔が大きくなった場合(=低解像度)に何が起きるかを問うています。
👁️ 正しい選択肢の判断
==== ア:
濃淡の違いを表す能力が上がる
→ これは量子化ビット数を増やした話。標本化とは無関係 ❌
==== イ:
濃淡の違いを表せなくなり忠実に再現できなくなる
→ 内容は一部正しいが、「濃淡」の問題は量子化。標本化は「位置情報」❌
==== ウ:
解像度が高くなり細かなパターンを読めるようになる
→ 「標本化間隔が大きくなる」のに解像度が上がるのは矛盾 ❌
==== エ:
解像度が低くなり細かなパターンを読み取ることが難しくなる
→ ✅ 正解! 標本化間隔が広がる → 解像度が下がる → 細部が失われる
✅ 正解
エ.解像度が低くなり,細かなパターンを読み取ることが難しくなる。
💡 補足:標本化の3ステップ
| ステップ | 内容 | 説明例 |
| ———— | —————————- | ————————– |
| 標本化 | 点を等間隔で拾う | 画像を「画素」に分割する(解像度) |
| 量子化 | 濃淡(連続値)を整数に丸める | 256階調(8bit)など |
| 符号化 | 整数値を2進数に変換 | 01101001… のようなビット列 |
🚫 エイリアシングとは?
標本化間隔が粗すぎると、本来の画像に存在しない偽の模様や歪んだ線が見える現象。
- 細かい縞模様が太く見えたり、ジラジラしたりする
- アンチエイリアス処理やナイキスト周波数の考慮が必要
→ 標本化間隔を小さく=解像度を高くすれば避けられる!
🎓 初学者のためのまとめ
- 「標本化間隔が大きい」=解像度が低くなる
- 結果:細部がつぶれ、読み取れない部分が出てくる
- 正しい変換には標本化と量子化の両面で十分な精度が必要





